「L'Arc〜en〜Cielのtetsuのファンとして思うことはここには書きません...行間を読んでくださいとお願いすることにします。」

私、皆さんの書き込みを拝見して、もう二度と「行間から推察してください」なんて曖昧で読み手に想像の余地を与える言葉を遣うまいと思いました。

本当はこの記事を−こんな記事を書くつもりはありませんでした。
どういう経緯があろうとも、tetsuの結婚がおめでたいことには変わりがありませんから。
そして、それはtetsu個人の幸せを願う者としては変わることのない事実だからです。
でも、これだけ色々なところから書かれてしまったら...書かざるを得ません。
今回ばかりは、tetsuの結婚について、彩名さんの結婚会見についてコメントするのではなかったと後悔しています。

この記事は追記にします。
「大人の事情」しか書いていない−そんな夢のない記事です。
経済的観点から今回の一連の行動を分析したえげつない記事です。
マーケティング理論ともいえないようなマーケティングの話を展開するくだらない記事です。
私は経済を勉強する者として、経済的合理性を追求しているけれども、世の中の全ての事象が経済的に立証可能だなんて思っていないし、それだけじゃないことも知っている。でも、これはその合理性のみを追求した世の中がつまらなく見えてくる記事です。

tetsuさんの結婚に好意的な方、読まれないことをお勧めします。
「大人の事情なんて関係ない。私はラルクが好きなの。」そういった純粋な気持ちを持たれている方、どうかお読みにならないで下さい。

この記事を読んで不快に思われる方が出てくる可能性を私自身、否定できません。
世の中とはそういうように出来ているのだと考えることが出来る方、精神的に大人であるとご自身を判断できる方のみ、お進みください。

そして、大変長い記事になっています。wordにして10枚を超過する長文です。
携帯からご覧になる方はパケットにお気をつけ下さい。


[放談] "KISS"マーケティングとtetsuの結婚
偶然と偶然が重なることは偶然かもしれない。
でも、決まっていたものの上に偶然が重なるということはまずない−

つまり−
今年の年頭には決まっていたであろう2年5ヶ月ぶりに発売される"KISS"発売日直前に「L'Arc-en-Ciel tetsu結婚」というニュースが流れ、発売日に彩名さんの会見があり、そこにtetsuは「レコーディング中だから」という理由で出席しなかった。
これらの事象が全て偶然であるはずがないということです。


突然ですが、あなたはiPodなどのパソコンを利用した携帯音楽プレーヤーを持っていますか。そして、持っている方はいつ、そのプレーヤーを購入しましたか。また、現在持っている機械が2台目以降の方は初めて携帯音楽プレーヤーを購入されたのはいつでしょうか。

1. 発売されてすぐ
2. 発売されてしばらく経ち、商品が改良されてから
3. 周囲が購入し始め、評判がわかってから
4. 商品が評判となり、ブームを巻き起こしてから
5. ほとんどの人が購入しており、時流からその機械を購入した


これはなにもiPodに限ったことではありません。例えば液晶テレビでもかまいません。
携帯電話、パソコン...何でもかまいません。あなたの消費行動はどの番号に当てはまりますか。
これは、マーケティングの最も代表的な消費者行動を示したものです。

何故ここでマーケティングについて私が話し始めたか。
それは、tetsuの結婚が発表された時期というのがマーケティング活動と密接な関わりがあるからです。そのことは後々お話します。

さて、先ほど挙げた4つを「L'Arc-en-Ciel」という「商品」に当てはめて考えてみます。
「L'Arc-en-Ciel」を「商品」という表現をするのには理由があります。なぜならば「L'Arc-en-Ciel」に関わる企業−それはSony Music Entertainment(以下表記をSMEに統一)にしても所属事務所にしても、株式会社だからです。株式会社とは利潤(お金儲け)を追求する企業のことです。「L'Arc-en-Ciel」という「商品」を利用して、お金儲けをしているのが関連企業です。
ここから先、彼らに関係する企業のことを便宜上まとめてL' & Co, Ltd.と表記します。

商品が開発される−ここではL'Arc-en-Cielのメジャーデビューと仮定します。
開発された商品は販売されます。最初、企業は商品の状態を見ます。L'Arc-en-Cielという商品が売れるかどうか。それは発売=メジャーデビューをする前にしっかりと検証していますが、実際に売れるかどうかは発売してみなくてはわかりません。L' & Co, Ltd.は彼らにプロモーション費用を試験的に投入します。彼らにいくら投資する価値があるかを判断する期間−つまりテスト期間です。
そして、この時期にファンだった人をiPodの例の1(草創期から)のファンと考えます。

CDの売り上げが好調で彼らが投資する価値のある商品だと判断されます。そう判断されるとL' & Co, Ltd.はL'Arc-en-Cielに対する投資額を一気に増やし、メディアへの露出を拡大させます。その結果、人気に火がつき彼らは音楽シーンのトップに立ちました。大雑把ですがここがiPodの例で2-3にあたる部分です。
最も商品が売れた4の時期−これを"ark""ray"の時期とします。誰もがL'Arc-en-Cielというバンドを知っており、多くの人がCDを持っていて、曲を知っているという状態です。

ですが、頂点に立つということは同時にその上がないことを意味します。そうなるとL' & Co, Ltd.はL'Arc-en-Cielに対する投資金額を少しずつ引き下げるようになります。なぜならばL'Arc-en-Cielという商品が一定以上の収益を上げ続ける存在となったからです。つまり、お金をかけなくてもL'Arc-en-Cielは売れて収益をL' & Co, Ltd.に還元してくれるだけの規模になったということです。
そして、投資を引き上げても問題がなくなったL' & Co, Ltd.は引き上げたお金を他のアーティストに注ぎ込むことで、第二のL'Arc-en-Ciel−コンスタントに収益を上げてくれるアーティストを作ろうとします。

ところが、2002年L'Arc-en-Cielは突然活動を休止。そのことでL'& Co, Ltd.はCDをはじめとした商品を売り出せば必ず一定以上の収益を生み出す「L'Arc-en-Ciel」という商品を失ったわけです。そんな活動休止中にも何とかして「L'Arc-en-Ciel」という商品でお金儲けをしようと考えた結果、発売されたのが3枚のBest Album"Best of L'Arc-en-Ciel"です。

2004年の復活にあわせてL'& Co, Ltd.は大規模なアニメとのタイアップとプロモーション活動を行います。L'Arc-en-Cielが活動を休止したことで、"ark""ray"の時代にいた一時的なファン(これを「流動性の高い消費者」といいます。さらに言えば「ミーハーなファン」のことです。) は去りました。つまり、L'Arc-en-Ciel復活を待っていたのは昔からのファン−流動性の低いファンだった。当然、それだけではCDのセールスは期待できません。
ここで一気にL'Arc-en-Cielへ投資をすることで、嘗てのファン(流動性が高いファン)にも訴えかけると共に、新規ファン獲得に向けて動きます。これがiPodでは新世代機の投入、PS2をPS3に、携帯電話に新たな付加価値(機能)をつけて発売するといったことに置き換えてください。
そこで目をつけたのがアニメです。元々、SMEはアニメには強い企業です。L'Arc-en-Cielのデビューもやはりアニメのタイアップでした。アニメ−それも映画アニメのターゲットは基本的に小学生から中学生にあります。つまり、若い世代に影響のあるメディアを利用して、そしてL'Arc-en-Cielを漠然としかしらない世代にインパクトを与えることで、新しいファンを獲得しようというのがL'& Co, Ltd.の戦略でした。
事実、現在ファンですと仰っている若い世代の方は"鋼の錬金術師"や"READY STEADY GO"がファンになるきっかけだったと書かれたり話されているのをよく見かけます。

2004年の復活以降がiPodの例でいうならば5に当たる部分です。
(注 : これらの消費行動区分は記事を書いている現時点において5であるというだけで、将来的にはこれらの数字は変化する可能性があります。)
iPodが爆発的に流行り、SONYやPanasonicなど他社からも機械も出てくるようになった。多かれ少なかれiPodの出荷台数は減るわけです。他社製品に流れる顧客も出てきたが、iPodを使い続ける人もいる。
粗雑な例ではありますがiPodをL'Arc-en-Ciel、他社製品を他のアーティストと考えてください。


さて、L'Arc-en-Cielが活動を休止していた間には多くの事件がありました。
音楽業界にとって最も大きな事件はiPodの爆発的な普及で音楽を取り巻くライフスタイルが変化したことではないでしょうか。それは業界に何を齎したのか。
iPodが普及したこと、そして韓国と並んで世界トップレベルのインターネットの高速回線の整備が進んだこと、その利便性を知った一般消費者はCDを気軽にDLすることをはじめました。結果、CDのセールスが加速度的に落ちはじめたのがこの時期です。
CD全盛期には100万枚売れるのがトップアーティストの仲間入りを象徴する時期もありましたがL'Arc-en-Cielが活動を休止した2002年以降をみると1年に1作品ミリオンを突破するシングルが生まれるかどうかという厳しいCD業界の事情が垣間見ることが出来ます。

[参考資料]  2002年以降のミリオンヒット作品一覧

2002年 independent (浜崎あゆみ)
2003年 世界に一つだけの花 (SMAP) 地上の星/ヘッドライト・テールライト (中島みゆき)
2004年 さくら(独唱) (森山直太朗)
2005年 青春アミーゴ (修二と彰)
2006年 Real Face (KAT-TUN)
2007年 千の風になって (秋川雅史)

[引用]  oricon web各記事より


また、SMEをはじめSONYグループ全体の戦略欠如として、彼らはオンラインでの音楽配信は行っていますが、それはSONY Network Walkmanでしか持ち運びが出来ないということが挙げられます。つまり、現在携帯音楽機器シェアのダントツNo.1であるiPodではDLしたものを聴くことが出来ない。L'Arc-en-Cielが好きだから、SME所属のアーティストが好きだからiPodではなくSONY Network Walkmanを購入しようと考える人はほとんどいないはずです。私は当初SONY Network Walkmanを使用していましたが、それは全く違う理由で選んだものですし、1年たたないうちにジョグダイヤルが故障した為、iPodに買い換えました。

SMEやSONYは携帯音楽機器にDLすることよりも、携帯電話にDLしてもらうことを主な戦略にしているように見受けられます。SME所属のアーティストは他社と比較した際に若年層をターゲットにしたアーティストが多い。小学生ですら携帯電話を持っている時代、それもパケット通信料が一定になるサービスなども発達しています。お金のない中高生などはCDをレンタルするよりも少し高くはなりますが、欲しい曲を携帯電話を通じて購入することが可能で、さらにCDを購入するよりも安価。そういった顧客(それは中高生に限定したものではありませんが)に対するアプローチをSMEはしています。
また、余談ですがアーティストの中でも特に若年層に影響のあるアーティストというのは一過性のアーティストが多い為、SMEに所属するアーティストの回転率も高くなっています。最近ではCDを何枚出すかという契約が厳しくなってきているのもそこに原因があるかと思います。

話が脱線したので元に戻しましょう。
L'Arc-en-Cielが復活しても時代の潮流から全盛期のようなCDセールスは最早期待できなくなったのです。もちろんそこには人々の価値観の変化、景気変動といった複数の要素が入ってきますが、話を複雑化させるだけなのでここでは省きます。


さぁ、随分と最近の事象まで話が進んできました。突然ですが、ここでひとつ質問です。
皆さんはGacktさんと米倉涼子さんが競演したエステのCMを憶えていらっしゃるでしょうか。あのCMを作った広告代理店は何を考えてCMを作ると思いますか?
彼らは出来るだけ少ない投資(お金)で広告効果の高いCMを作ろうとします。CM披露の記者会見のセッティングもして、そこでも話題になるようなコメントを引き出すように仕向けます。
例えば、あのCMの作成や記者会見、Gacktさんや米倉さんの出演料の合計費用(総制作費)が2億円だったと仮定しましょう。これはあくまでも仮定であり、実際の数値とは大きく異なりますのであしからず。これは高い金額でしょうか、それとも安い金額でしょうか。
CMを披露すると、その日のワイドショー、翌日のスポーツ紙、女性週刊誌などが記者会見の模様やポスターを大々的に報道し、記事にします。また、あの時はGacktさんと米倉さんの熱愛報道(?)もあり、それが報道される度にあのCMがワイドショーの中で流れました。
通常、CMというのはテレビ局が持っている枠を企業が購入してそこにCMを流します。テレビ局の収入の多くはこの広告収入です。例えば、その枠が1ヶ月1番組に付き60秒(15秒広告×4回)で4000万円(平成16年度某キー局の広告の平均/総務省発表資料による)だったとしましょう。もちろん、CMを流す時には一局だけではありませんから東京なら日テレ、TBS、フジ、テレ朝の4局にCMを依頼すると大体一月あたり1億6千万円程度はかかるわけです。これは企業にとって大きな出費ですよね。
この場合、エステに行きそうな人が見るような番組に広告を出すわけですが、それが会社の希望するような顧客となりうる人たちが見てくれるかといわれれば答えはノーです。
ところがです。話題性のあるCMを製作する。そうなると、企業が何のアクションを取らなくとも、テレビ番組や新聞、雑誌がそれを話題にして「勝手に」取り上げてくれるのです。1ヶ月に4000万も払って広告を打っているのに、勝手にメディアが取り上げて「タダ」で宣伝をしてくれるわけです。お金を払っていないのに広告効果が上がるのです。スポーツ紙などは最低でも4段、うまくすれば8段程度を割いてくれますから、それはすごいことです。ちなみに新聞の全面広告は15段。紙面を全て記事にすると15個の段に分かれる為そういいます。通常、新聞下部にある広告が3段ですから如何にすごいかがお分かりでしょう。
実際、このGacktさんと米倉さんのCMの効果は実際に投入した費用の数十倍とも言われています。テレビや新聞に60〜80億程度を払って広告したのと同じだけの広告効果があったといわれているのです。

また、インターネットが既にインフラ化した現在、日本人のPCユーザーの多くがホームページに設定しているYahoo!に新聞社や通信社が書いた記事がニュースのトピックとして掲載されれば、その広告効果は計り知れないものとなります。

これで私が出した質問「広告代理店は何を考えてCMを作ると思いますか?」の答えはお分かりでしょう。広告代理店は可能な限り少ない費用でたくさんCMを流したのと同じような効果が生まれるようなCM−つまり広告効果が高くなるようなCMを作ろうとするわけです。これは、特に大手企業や業界のトップ企業よりも、中堅や業界首位を狙う企業が行う手法です。
SHISEIDOがはじめDoCoMoも追随した新しいマーケティングは考え方、費用投入の方法そのものが違いますのでここでは忘れてください。


ここまで読まれてL'Arc-en-Cielと随分と関係のない話になったのではないかと思われる方がいらっしゃるかもしれません。でも、どうですか、何となくことの本質が見えてきませんか。

今回tetsuが結婚するという情報が明らかになったのは11月17日。
"KISS"の発売日と彩名さんの会見があったのは21日。
酒井彩名さんの結婚会見の記事のコメントで教えて頂いた2つの事象が事実であるならば、話は極めて簡単です。2つの要素とは以下のものです。

1. 写真はラルクのアートディレクター監修
2. 会見はスポニチで記事になる前から、21日に予定されていた


この21日という数字と写真の監修がラルクサイドによって行われていたということはL'& Co, Ltd.がこの結婚発表の裏に存在したということを如実に示すものです。
ちなみに彩名さんがBlogで「自分から皆さんに発表しようと思っていたので、(今回の報道には)自分も驚いている」と仰っていますが、これは業界の常套手段なので、ここでは無視します。尤も彩名さんには「21日に会見するから」という情報しか事務所が教えていなかった可能性はあると思います。

また、ここでは彩名さんの事務所とL'Arc-en-Cielサイド(L'& Co, Ltd.)、どちらが先に動いたのかは不明ですので割愛しました。どういう形であれ、会見が行われたのは事実である為です。
L'& Co, Ltd.が先に動いたのであれば、"KISS"のプロモーション色が強くなり、彩名さんの事務所が先に動いたのであれば、酒井さんを今後どのようにして売り出すのかを考えたホリプロの動きをL'& Co, Ltd.が止められなかったので、せめてそれに便乗して"KISS"のプロモーションを行おうと考えたとするのが順当です。
それらの事象を排除し、L'& Co, Ltd.がどのように考えたのかという点について以下は展開します。

まず、何故21日にいきなり会見という流れにならなかったのかという点から。
第一に21日に会見を持ってこなかったのはそこですると"KISS"のプロモーションであることが露骨なまでにわかってしまうから。それは「一応」ファンに対して申し訳ないと考えたから。ただ、これは補足理由でしかありません。あまりに露骨にすれば、業界内外から叩かれる可能性が高いからというのが主たる理由でしょう。
次に11月20日に109MEN'Sとのタイアップ発表が決まっていたため、仮に21日に突然結婚発表をすると折角のプロモーションが0になってしまうから。これは先ほどのCMの例でお分かりいただけると思います。109MEN'Sとタイアップして、あの衝撃的な広告を打ったわけです。それがテレビで放送されることで、一気にL'Arc-en-Cielとnew album発売というインフォメーションが一般の方に刷り込まれます。
となると、21日に突然発表をするということは折角前日に仕込んだ広告がボツになることを示すのです。もちろん、ふたつのニュースが同日に流れることによる相乗効果もありますが、ゴシップ好きな人が多い世の中、結婚のインパクトが109MEN'Sの公告と比較して大きすぎるため、話題性のバランスが著しく悪いため、21日にかぶせなかった。これが第二のポイント。

三番目に挙げられるのがtetsuの知名度。
私はGLAYのファンでもありますが、私の周囲に限っていえばGLAYはメンバーの名前を全員知っているのに、L'Arc-en-Cielはhyde以外知らないという人が世間には意外と多いということがあげられます。そして、それをL'& Co, Ltd.は好都合と今回捉えたはずです。
17日の時点で「L'Arc-en-Ciel tetsu結婚」と出す。世間では「L'Arc-en-Cielの誰かが結婚するんだって」「あ、L'Arc-en-Cielってhydeのバンドだよね」という会話が生まれるわけです。嘗て"ark""ray"の全盛期にL'Arc-en-Cielのファンだった人、ファンとはいかずともほとんどの人がL'Arc-en-Cielというバンドを知っている為、話題にも上りやすい。そこでまず「L'Arc-en-Ciel」という商品名を世間に対してインプットさせるわけです。
そして、話題が盛り上がり、鉄(話題)が熱いうちに20日に109MEN'Sとのタイアップを発表。当然そこでは「先日、彩名さんと結婚することがわかったtetsuの所属するL'Arc-en-Ciel」という冠詞が付くわけです。その「L'Arc-en-Ciel」が109MEN'Sとアルバムリリースに合わせてコラボレーション−このように発表することで、世間に「L'Arc-en-Ciel」と「アルバムリリース」という言葉を植えつけます。

そして、「17日の遅くに判明した」というのにもちゃんと理由があります。
先ほど、Gacktさんと米倉さんのCMの効果の話の際、Yahoo!のトップにトピックとして掲載されることの広告効果について書きました。Yahoo!のトピックを簡単なニュース代わりにしている人は大変多いからです。
土曜日の夜に情報が流れると、それが新聞社の記事となって配信されるのは翌18日早朝。日曜日は株式市場も政府も動いていません。つまり、社会的・国際的にさほど大きなニュースが飛び込んで来る可能性が圧倒的に少ない曜日なのです。Yahoo!のトップトピックの入れ替わりは平日と比較し、回転率が低いのです。
結果18日は朝から夜遅くになるまでYahoo!のトップ画面に「L'Arc-en-Cielのtetsu」という文字が掲載され続け、更にYahoo!では"KISS"と連動したコンテンツまで作っているわけですから、相乗効果も生まれます。
更に、日曜日は多くの人が働いていない為、Yahoo!へのアクセス数、そしてページを見るのに費やす時間は平日と比較し多くなります。これは重要なことに思えませんか?ですが、考えてみてください。L'& Co, Ltd.が欲しいファンは、現在日常においてL'Arc-en-Cielとは関係のない人ような生活を送っているたちが大多数を占めるのです。そんな中でYahoo!のトップを日曜日にジャックできることは想定する以上の広告効果があるのです。

現在、大学生より上の年代の方はカラオケに行って"ark""ray"時代のL'Arc-en-Cielの歌を歌うと、現在ファンではない人でもほとんどが曲をわかってくれたり、「昔ファンだったの」などという会話になったり、そうでなくともL'Arc-en-Cielのことが話題になることはありませんか。
そういった人たちはL'& Co, Ltd.にとっては潜在的な顧客なのです。つまり、きっかけさえあればL'Arc-en-CielのCDを購入してくれるかもしれない層なのです。
そういった人たちに「L'Arc-en-Ciel」と「アルバムリリース」というインフォメーションを植えつける為には、時間軸をきちんと整理したうえで、戦略的に情報を小出しにして潜在的な消費者に情報を刷り込ませ、畳み掛ける必要性があるのです。
この時間軸をずらした発表方法は、一週間彼らの日常会話の中に「L'Arc-en-Ciel」という単語が毎日出てくるようにする戦略と考えることが可能です。


さて、ここでまた質問です。ここにいらっしゃる方はL'Arc-en-Cielのファンだと思うのであえて伺います。
あなたは今回tetsuの結婚騒動を受けてL'Arc-en-Cielのファンをやめようと思ったり"KISS"を購入することを控えましたか?
「tetsuを嫌いになった。」「tetsuのやってることが理解できない。」「何故こんな時期に発表するのか信じられない。」そう答える方がいらしても、「L'Arc-en-Cielが嫌いになった。」「もう"KISS"を買うのはやめた。」という人は僅少ではないでしょうか。

ここにこそ問題はあります。
L'& Co, Ltd.は知っているのです。tetsuが結婚を発表し、それがどういった形で発表されようとも現在いるファンのほとんどは「ファンをやめない」ということを−すでに、L'Arc-en-Cielの全盛期は過ぎ、現在いるファンは流動性の低い、純粋に彼らの音楽のファンが圧倒的多数なのです。そういった人たちが「なんだかんだ」言いながら他のアーティストに比べ高いチケットにお金を払い、リリースラッシュに付き合っているファンが「tetsuの結婚程度」のことで離れないことを知っているのです。

まだ"KISS"の初動枚数は出ていませんが前作"AWAKE"の初動は約22万枚、累計約36万枚。
今年発売されたシングル4枚の初動枚数は"SEVENTH HEAVEN"が11.2万枚、"MY HEART DRAWS A DREAM"が11.3万枚、"DAYBREAK'S BELL"が11.5万枚、"Hurry Xmas"が10.3万枚。
統計を取っていないCDショップなどもあるので一概に言えませんが以上のデータから、「CDが出れば必ず買う」という人が約11万人いるわけです。この人たちのことをL'& Co, Ltd.は「優良顧客」と呼びます。つまり、CDをプレスする時11万枚は堅い=絶対に売り切れるという意味です。
次にシングルまで手は回らないけれどもアルバムは絶対に買うという人が存在します。例えば、若年層などでお小遣いが少ないなどの理由でアルバムが出るまでCDの購入を我慢したりする人のことです。
そのシングル買い控え策としてL'Arc-en-Cielがデビュー時から続けているのがc/wはアルバムに入れないという手法です。それは現在のP'UNK〜EN〜CIEL然りです。ですが、これはややこしくなるので脇においておいておきましょう。

"AWAKE"は"鋼の錬金術師"の効果もあって初動で22万枚が売れたという指摘があります。仮に、そういった人たちが4万人いたとしましょう。L'Arc-en-Cielを好きでアルバムだけを購入しているファンが7万人いると仮定します。これもL'& Co, Ltd.にとっては優良顧客ですが、全てのCDを購入しているファンと区別をつけるために「準優良顧客」とします。そして"鋼の錬金術師"がきっかけで購入した人を「流動顧客」と呼ぶことにします。
L'& Co, Ltd.にとって優良顧客11万人と準優良顧客7万人は確実にCDを買ってくれるありがたい存在なのです。18万枚CDを作っても確実に売れるし、お金をすることはないぞと。

そして、L'Arc-en-Cielのファンはtetsuのことを当然知っていますが、世間的知名度はhydeのように高くない現実。
何よりhydeと一番違う点は彼が結婚した時期というのはCDの全盛期とL'Arc-en-Cielの全盛期が重なっていたこともあって、仮にhydeの結婚が許せなくてファンが多少離れたとしてもL'& Co, Ltd.にとっては金銭的に痛くもかゆくもない時期だったのです。もちろん、大幅にファンが減るというリスクもありましたが結果的に彼らにとって痛手はないに等しかったのです。
また、L'& Co, Ltd.はL'Arc-en-Cielの息がこれほど続くと思っていなかった可能性もあります。そうなると、彼らにとってhydeの結婚は最後の打ち上げ花火程度の認識でしかなかったかもしれません。
もちろん、hyde自身が私生活は公表しないというスタンスだったのは事実ですが、公表しなくとも世間は大石さんと結婚されていることも知っていますし、お子さんがいらっしゃることも知っているので、ここではこの事象は関係ありません。

今、CDが売れないこの時代にL'Arc-en-CielというのはSMEにとってとてもありがたい存在です。アルバムならば20万枚売れれば万々歳、30万枚売れれば文句なしというような時代です。その時代に、20万枚程度なら初動のみで手堅くコンスタントに売れる、そして最終的には30万枚も突破してくれるL'Arc-en-Ciel。彼らが重宝されるのは自明です。

そしてSMEをはじめとしたL'& Co, Ltd.は考えたはずです。
ここでもうひとつ何か仕掛けて、一時的なものでもかまわない、更なる収益が欲しい。15th L'Anniversary Liveから続く大々的なプロモーション活動を仕上げる絶好の時期。そして、出来るならば新規のファンを開拓してそれを準優良顧客、更に優良顧客にしたい−と。
そこで「タイミングよく」出てきたのがtetsuの結婚話です。このインパクトを利用しない手はない。どんな広告活動よりも−109MEN'Sの広告よりも社会的なインパクトは遥かにこちらの方が大きいのです。109MEN'Sは渋谷の109-2限定であることを考えても想像に難くないはずです。
また、今回はシングル曲が多いこともあり、L'Arc-en-Ciel全体に興味を持った消費者以外−"Link"を聞きたい人は2年前に購入済み、"MY HEART DRAWS A DREAM"を気に入った人はシングルを購入、若しくはDLするという行動を既に取っている為、プロモーションがしにくいということもあります。逆になんら縛りもないが故に好きなようにプロモーションできるという面白さもありますが。

ファンとしては、せめてツアーが終わってからと思うのは当然の感情でしょう。
ですが、L'Arc-en-Cielによってお金儲けをしている人にとっては違います。L'Arc-en-Cielという商品を最小限の費用の投入でお金儲けが出来る千載一遇のチャンスがまわってきたのです。いえ、ひょっとしたらそれは「作られた」チャンスかもしれません。これを書くと推測の域に入りますので自粛します。
あの写真や彩名さんの記者会見、そこにtetsuが出てこなかった理由などはここに集約されていきます。もっとも、それだけが理由ではありません。でも、大きな理由のひとつには変わりありません。

tetsuという人を知っているファンは思ったはずです。「まさか、tetsuが結婚するなんて」−友人にいたっては「tetsuが結婚できるなんて」とまで言い切りましたが−とにかく、そういったことを多かれ少なかれファンは思ったはずです。いずれにせよ、多くのファンにとってtetsuの結婚そのものは歓迎される事象だったのです。Blogの記事などを拝見すると「もし、このタイミングで発表されたのでなければ、もっと素直に喜べるのに。」といったものが大半でしたから。


ここで最後の質問をします。現在、L'Arc-en-CielのメンバーがもしCMに出演するとしたらどんなCMが考えられますか? 私の答えは、「どんなCMにも出られない」です。理由はL'Arc-en-Cielとしてのパブリックイメージが極めて曖昧だからです。また、音楽は多くの人が知っていても、L'Arc-en-Cielのキャラクターを理解していないので楽曲をテーマソングには使えてもCMには出しにくいのです。
そうすると、何が起きてくるのか。L'Arc-en-Cielが打つ広告は音楽番組内でのリリースCMだけになるのです。元々音楽番組に出演するのは新規顧客開拓の為−プロモーション(販売促進)の為ですが、実際その効果はL'Arc-en-Cielほどのキャリアを持つアーティストになるとあまり高いとはいえません。狙っているのは新規顧客なのに、結局見ているのは優良顧客と準優良顧客という現象が起きるのです。
そこで、今回彼らが目をつけたのがYahoo!を利用した広告活動です。近年、Web広告の値段は右肩上がりですが、それでもTVや新聞を利用した広告よりも効果が大きいのは、見たいときに見ることの出来る利便性がひとつ。そして一番の理由は一定以上の興味がある人がアクセスするので広告効果が高いことが上げられます。つまり、少ない費用で高い効果を得られる広告を打つことが出来るのです。また、Yahoo!はチケットぴあとの提携も行ったばかりですから、合わせてチケットも発売できる。

ついでなので、チケットについてもこんな戦略があります。
1997年にL'Arc-en-Ciel初の東京ドーム公演があり、そのチケット56,000枚が4分という当時最速完売を記録しました。
そして2006年、同じく2日分の東京ドーム公演チケット111,000枚が2分で最速完売しました。
1997年は56,000枚が4分、2006年は1997年の倍の枚数のチケットが2分の一の時間で完売。
どう考えても物理的に不可能です。ぴあやローソンにある電話回線の数は限られていますから。
つまり、この間にチケットを販売する会社が増えたこと、FCへの割り当てなどがあり、発売初日に売り出されるチケットの枚数は1997年のドーム1回分よりも2006年のドーム2回分の方が少ないという怪奇現象を引き起こしているのです。
そして、どんな記録でも記録は記録。その記録が欲しい為にL'& Co, Ltd.らの操作が入っていることはこれらのデータから判断できるものです。
今回、L'Arc-en-CielのファンクラブにチケットがあまりまわらなかったのもこのYahoo!とぴあの提携に起因しています。
とはいえ、これはあくまでも余談。書くとすれば[mini放談] THEATER OF KISSの陰謀にある今回のチケット争奪戦に関する分析を[放談]として掲載する時です。


もうここまで読まれた皆さんはうすうす感じられているでしょう。
今回のtetsuの結婚発表に「ファン」、若しくは「ファンに対する配慮」というものは存在しようがないのです。L'& Co, Ltd.にとってL'Arc-en-Cielのファンもtetsuのファンもはじめから存在していない。
これはあくまでも新規顧客と流動顧客獲得のためのL'& Co, Ltd.の「マーケティング戦略」であり、それ以上でもそれ以下でもないのです。
そこにtetsuをはじめとするL'Arc-en-Cielがどの程度関与しているかはわかりません。

そして、悔しいことに優良顧客と準優良顧客は結局、L'Arc-en-Cielがどう動こうと、tetsuが結婚をしようと、L'& Co, Ltd.が新規顧客開拓のためにファンの気持ちを踏みにじるような行為をしていようと−結局、ファンである私たちは"KISS"を購入し、チケット狂争に参加し、L'Arc-en-Cielも含めたL'& Co, Ltd.に利益を上げさせているのです。
以前書きましたが「結局、好きという時点で私たちはL'Arc-en-CielにもL'& Co, Ltd.にも負けている」のです。恋愛のようなものでしょう。残念なことに私は恋愛が何たるかは知りませんが。

ただし、L'& Co, Ltd.の戦略にミスがあったとすれば、あの写真によってL'Arc-en-Cielの世間的イメージがある一定の層の人にとって悪くなったということかもしれません。業界にいる人たちは多かれ少なかれ世間ずれしているので、あの写真に対して違和感を持っていないと思いますが。私もどこか麻痺している部分がありますし、それは否定しません。
「バンドの品位を貶めた」という記事やコメントがありますが、L'& Co, Ltd.やtetsu自身も、この写真がそういった判断をされるとは思っていなかったはずです。そして、誘引された結果に少なからず驚きを覚えているはずです。

でも、そんなことはL'& Co, Ltd.にとって問題ではないのです。
"KISS"が予想される枚数をきちんと売り上げて、"THEATER OF KISS"のチケットが発売日に勢いをつけて売れさえしてくれれば−


私の話は以上です。
話を単純化するために、彩名さんの事務所の動向については一切触れていません。
これらの意思決定過程において、L'Arc-en-Cielやtetsuがどのように、どの程度関わっているのかは私にはまったくわかりませんので、そのことについても記述は控えています。
また、マーケティング以外の要素を語りだすときりがないため、そこも割愛しております。
意見や私情は出来る限り排除したつもりです。よって、私の思うこともこれ以上は書きません。最初に「曖昧で読み手に想像の余地を与える言葉を遣うまいと思いました」と書きながら矛盾していますが、これ以上の私の思いは書きません。
今回のこのマーケティングが是か非か−それについても書くつもりはありません。
好きだからこそ、本当はこんなこと書きたくなかった。だからこそ、これでおしまいです。

最後に、私の話は基本的なマーケティング理論とも呼べないようなマーケティングを今回のL'Arc-en-Cielや関連する会社の動向に当てはめたものです。学生が持ちうるマーケティングの知識を事実に当てはめ、論を組み立てていった結果、こういった記事になったのだとお考え下さい。これが全てで、これが100%正しい−事実だとは捕らえないで下さい。わかりやすくするために、話を単純化したり、90%事実のものを100%事実として表記している部分もありますから。
ただ、本質はこういうところにあるんですよという参考に留めていただければ幸いです。

そして、この問題の犯人探しはしないで下さい。するのであれば心のうちに留めてください。
誰が悪くて誰が正しいという話はマーケティングにおいてナンセンスな考え方だからです。
それに世の中に存在する事象はこんなに単純ではないからです。
また、マーケティングを否定しないで下さい。それはこれまでのL'Arc-en-Cielを否定することにも繋がります。L'Arc-en-Cielは音楽性に加えて、tetsuを中心とした当時のメンバーのマーケティングセンスがあったからこそインディーズの中でも抜きん出た存在となり、今に繋がっていることを忘れないで下さい。

誰かにとっていいことは誰かにとって悪いことなんです。
誰かにとっての利益は誰かにとっての不利益となるのです。
それが、社会というものだと私は思っています。


私の予定では、今はnew album連動企画の小説を書いている時間なんですよ。
そして、そっちに夢中になりたいのに−
結局雑念に駆られて、こんな分析レポートを載せることになりました。
それにしても...昨日は裁判員制度について英語のレポート10枚+Speechの用意だし、今日は日本語でこれ...なにしてるんだか、私。
明日こそ、new albumのインスパイア小説、更新できなかった3日分をまとめて更新します。
昨日、日付が変わる瞬間にyukihiroさんのBirthdayのお祝いかきたかったけれども無理だったから、24日中に書くはずだったのに...木曜日に行ったチェコ・フィルの話や撮影の続き、来年のヒラリー・ハーンの話、中島みゆきのコンサートや司法制度改革の是非、キム・ヨナのロシアGP優勝などなど...
書きたいことは他にもたくさんあるのになんでこのことひとつ、一生懸命書いてるんだろう、私。
私自身がが経済的に最も合理的な活動をしていないことが、自分自身で許せませんね。


[参照記事]
2007/11/19  dearest tetsu, best wishes for a beautiful life together
2007/11/22  酒井彩名さんの結婚会見

2007/09/28  [放談] "THEATER OF KISS"FC先行の結果
2007/10/18  [放談] LE-CIEL Net 当落結果とファンの目線
2007/10/31  [放談] 不可解なLE-CIEL NETチケット発売
2007/11/23  [mini放談] THEATER OF KISSの陰謀
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